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防水透質素材への誤解
防水透湿素材に関してはいろいろと誤解されるケースが多いみたいです。
私はメーカーさんに勤めている訳でもありませんが、
ここでいくつかの誤解を解かないと・・・と思いたち、この章では道草をしてみようと思います。
私のコンテンツはゴアテックスをやり玉にあげているように
感じられる方が多いと思いますが、かく言う私もゴアテックス大好き人間なので、
やはり良いところはちゃんと訴えたいので。
ケース・ワン
「完全防水」なのに、水が入ってきた!
すごく極端な例ですけれども、実際にあった話だそうです。
ゴアテックス製のテントを小川のせせらぎの中でに張ったら、水が入ってきた!
というクレームがメーカーによせられたことがありました。SPMめいたクレームか、
完全防水という言葉を過大評価したのか、真偽のほどはわかりませんが、
テント内に小川の水が浸水してきたんだそうです。
ゴアテックスがいくら防水ったって、それは・・・と思うのですが、一応説明します。
ゴアテックスや他の防水透湿素材には、耐水圧(1平方センチメートルあたり、
どのくらいの水圧がかかっても平気かという基準)テストがあって
ある一定の数値をクリアしたもの(メーカーによりまちまちです)が市場に出ることになります。
ですから、これ以上の水圧が素材にのしかかってきた場合は水を通してしまいます。
腕時計をはじめとする防水機能とゴアテックスなどの布製品の
防水機能は同じ「防水」という言葉でも同等に考えることはできません。
それに、テントには内部と外をつなぐいくつもの隙間が存在しますよね。
換気用のベンチレータや出入り口のファスナー部分などなど、
川などにテントをはったら瞬く間に水が浸入してしまうのは、あきらかなことです。
ちょっと極端すぎる例でした。
ケース・ツー
『ゴアテックスなのに、結露した!』
まず、結露とはご存知の通り、冬場などに窓に発生する水滴を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。
寒い季節にゴアテックスなどの防水透湿素材でできたテントを
使用した場合も、結露は発生してしまいます。
本来蒸気は排出するのだから、結露なんてするのはヘン!
と思われる方も多いのでは?
ゴアテックスが排出できる水蒸気って、実は私たちがこうあって欲しい!
と思うほどには排出できていないようです。
考えてみれば、水は通さないのに、水蒸気だけは通すのですから、
通過できる水蒸気だって多量なはずがないことくらい類推できるんですけど・・・。
薄いナイロン素材でできたテントの方がよっぽど水蒸気を通過させるくらいです。
50デニール以下のナイロン繊維の方が水蒸気を多く排出します。
結論、ゴアテックスの排出量を超えた水蒸気が発生した場合は、
ゴアテックスだってちゃ〜んと結露してしまいます!
同様に、ゴアテックス製の合羽なのに、汗でムレた。
というケースもいっぱい汗をかいたら、その分合羽の内部はムレてしまいます。
ケース・スリー
『防水機能がなくなった』
これはなんらかの問題で本当に防水機能がなくなってしまったケースと、
撥水と防水の勘違いに由来する2つのケースがあります。
一般に防水透湿素材は剥きだしになっていることはあり得ません。
ナイロンやポリエステルといった化学繊維にラミネートそれています。
防水透湿素材と対になった素材は使用状況によって水を弾く能力が落ちてしまうものです。
本当にゴアテックスの防水性がなくなったのであれば、雨水は人体まで濡らします。
逆に衣服表面だけが濡れて、内部がドライな状態であれば、
それは単に表面布の撥水性がなくなっただけで、素材の防水性はまだまだ健在である場合があります。
詳しくは撥水と防水をご覧下さい
『デリケートなゴアさま』
よく耳にする事例として、ゴアテックスの消耗があります。
アウトドアで大活躍しているゴアテックスですが、
かなりデリケートな素材です。
だから、取扱いに十分な注意をしないと防水透湿機能を
損なってしまう場合が多々多々多々あります。
まず、洗濯の時は決して擦り洗いや揉み洗いはしないのが無難です。
過度に折り曲げを繰り返すとゴアテックスは裂けたり破れてしまいます。
また洗濯機の脱水は無意味です。だって、水を通さないんだから、脱水したって・・・。
でしょ?
脱水時間が終わって、洗濯機からジャケットを取り出した瞬間、ビシャっと残っていた水が出てきたりします。
あとは、油に弱いことです。ゴアテックス皮膜に油が付着してしまうと、
防水性がなくなってしまうのです。
油は機械製品の油だろうと、食用油だろう絶対にダメ!
極端な場合は人体から分泌される油脂でさえ、防水性を破壊してしまいます。
(ゴアテックス社の公式パンフレットでは否定されていますが…)
それから、塩分や海水などもゴアテックスの天敵となっています。
メーカーからはハッキリと否定されていますが、
海で使ってダメになったという話はしょっちゅう聞きます。
海水でも大丈夫だったという体験談を聞くことの方がレアだったりします。
ちなみに、ダーミザクスやディアプレックスといった
無孔質タイプの防水透湿素材は塩分に対しては強いということです。
私の個人的な体験でもダーミザクスは潮の飛沫や潮風に長い時間当っても、
ゴアテックスよりははるかに強かったように感じています。
ケース・フォー
『逆透湿』!
外気の状況が体内から発散されるムレと同じような時、
つまり雨ではなくても霧や極度に湿度が高い場合。
こうした状況はアウトドアではよくあることで、特に山岳地域のような気象条件が
不安定な場所では頻繁に遭遇するものです。
こうした場合、防水透湿素材も逆の働きをしてしまうことがあります。
外気の湿気を通してしまい、結局衣服内は外気と同じコンディションになってしまいます。
防水透湿素材は条件さえ合ってしまえば、湿気の一方通行ではなくなります。
外気の湿気を呼び込んでしまうこともあるのです。
ではなぜ、ゴアテックスをはじめとする防水透湿素材は
アウトドア人間に重宝されるのでしょうか?
それは、やはりある程度の防水性がありながら、
内部のムレを例え少しだけでも排出してくれるので、透湿性がまったくない素材よりはマシだからです。
以前の雨合羽は雨に濡れるのと同じくらい衣服内も汗で濡れていました。
ハイキングや登山など、それなりに運動量のある状態では人体は必ず発汗するものです。
そんな汗の被害を少しでも軽減してくれる素材があるならば、誰だって重宝するものです。
それに、寒風をシャットアウトしてくれるのも防水透湿素材のメリットです。
アウトドアでは寒風によって体温を奪われることは、生命の危機に直面する場合もあります。
使い方の工夫次第で、とってもベンリに使える素材なので、
こうしたファブリックスはますます進化していってもらたいものです。


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