シュラフについてB〜選び方篇〜

 「シュラフについて」その1・知識篇、その2選び方篇の続きです。全章までの内容を踏まえて、より具体的な選び方を進めていきたいと思います。

◎夏限定のシュラフを考える

夏だけ、それも国内の低地だけの使用と限定される場合はかなりコンパクトなシュラフが期待できます。マミー型ならばレインスーツよりもコンパクトなシュラフがあるほどです。
また暑さが予想される場合は、シュラフでなくシュラフカバーを使うテもあります。
夏だけに限定するならば、価格もとっても安いものを期待できます。「シュラフについて2」で書いた原則をシビアに適用しなくても、無名のメーカーのシュラフでも、はたまた量販店でワゴンセールされているモノでも深刻な問題には至らないと思います。
けれど、夏用には一つだけチェックするべきポイントがあるので注意して下さい。
ジッパーは必須チェックポイント!
@ジッパーの左右の歯が分離するタイプがベター
 ジャンパーのジッパーのように左側の歯についているジッパースライダーに
 右の歯をはめ込んで、ズーッと引き上げるタイプのジッパー。
 これが使われていたらベターです。
 理由は暑い時、ジッパーを全開にして体温調節ができるからです。
Aジッパースライダーが2個ついているものを選ぶ
 スライダーが2箇所あれば、ジッパーも2箇所開けることが可能だからです。
 よく体験することは、上半身は少し肌寒くても、足だけが火照って熱くて寝苦しい
 時ってありませんか?日常生活なら、布団から足だけだしますよね。
 シュラフの場合も同じです。スライダーが2個装着されているタイプなら下の
 方だけジッパーを開放することができます。
 スライダーが2個ついているからこそできる快適な工夫です。

◎3シーズンのシュラフを考える−最も難しい選択

 0℃くらいまで対応のシュラフであれば、たいがいのアウトドアシーンに対応できると思います。
通常はこんな目安でかまわないのですが、寒さの体感は人によって本当に大きなに開きがあります。
特に女性で冷え性の方、体脂肪が少ない方などはシュラフメーカーが公表している目安がまったく当てはまらないケースが多いです。
私の友だちはもともと冷え性。身長165センチで体重40キロの女の子です。10月の下旬、外気温10度くらいのキャンプで●快適使用域−30℃のダウンシュラフを使わせたのですが、それでも寒くて寝付けなかったそうです。
こんなケースは特例なのかも知れませんが、こうしたケースも予想して冷え性や体脂肪率の低い女性は目安よりも保温性がワンランク上のモデルを選びたいものです。
一つのシュラフで春・夏・秋のそれぞれ異なる季節をカバーするシュラフというのは、シュラフ選びでもっとも難しい選択と言えるでしょう。
選択に困ってしまったら、3シーズン用は
温かさ重視の選択でかまわないでしょう。
もしもシュラフの中が暑くなったらジッパーを開けば温度調整ができるワケですから!シュラフはもぐり込まないといけない!というものではありません。暑い時にはブランケット代わりに掛けるだけでもかまわないのです。

◎冬用・寒冷地用・極地用を考える
シュラフの中でも最も高価でしかも嵩張るカテゴリーです。とても寒いシーンでのシュラフといっても、一般の私たちはせいぜい10℃〜−40℃くらいが自然界で体験できる幅だと思います。
ですが一言で「寒い」と言っても、その幅は50℃以上の温度領域があります。この広い温度領域で、寒い時用なんて選択はアバウト過ぎです。
やはり自分が使用するシーンを考慮して具体的・個別的に選択する必要がでてきます。
厳冬期や冬山登山での使用を考えるならば、ダウンシュラフでは最低でも800g以上の中綿が入っているものを選ばないと、とても寒い思いをしてしまうことでしょう。
シュラフカバー使用も想定して選ぶ
 おおよそですが、湿度が高い場合はテント内の室温が10℃前後からシュラフにも結露が発生してきます。0℃になると結露ははっきり確認できます。
こんな状況下ではシュラフを水分からガードしなくてはなりません。そこで全章で触れたシュラフカバーが必要になります。
ところが、ここで困ったことが起こります。低温用のシュラフは保温性能をあげるため、中綿量を多くしています。するとシュラフのサイズも当然大きくなります。知識篇でも書いたように、シュラフは中綿の嵩だかが潰れてしまうと保温効果が落ちてしまいます。ですから低温用の大きなシュラフを選ぶ際、
シュラフカバーもそれに見合った大型のラージサイズを使用しないと、シュラフの嵩だかをカバーが潰してしまい寒い思いをすることになります。シュラフカバーの中にシュラフをムリヤリ押し込むようなことをしたら、人体も圧迫感を感じ、保温効果を殺されて寒い思いを強いられる結果となります。
 まとめると、低温時の使用ではシュラフカバーを投入する。シュラフとシュラフカバーのサイズの組み合わせに注意することが重要となります。




アライテント 
GTXシュラフカバーL ブルー
 
大変大型のシュラフカバーで、厳冬期用シュラフの
嵩だかを潰さずにパックできる。また敢えてファスナー
を装備していない。
         
イスカ(ISUKA) 
シュラフシーツ サイドジッパー(SZ) ブルー
 
アウトドアグッズは化繊のものばかりだけれど、こちらは爽やかな風合のコットンを使用。

シュラフカバーとの組み合わせは、サイズだけではありません。防水透湿素材を使用していますから決して安くはありません。相場で10000円以上しますので、予算的にも頭を悩ませてしまいます。

◎極地モデルはホントに巨大!
−35℃や−40℃対応の極地用クラスになるとホントに巨大です。普通の冬用シュラフの2倍以上の容積になるものもあります。こうなるとラージサイズのシュラフカバーでも大きさが間に合いません。
そこで登場したのが、シュラフの外側の布地にカバーと同じ防水透湿素材をつけたモデルです。要するにりのカバー一体型タイプです。なかなか便利なうえ、シュラフカバーを別個に購入するよりも若干割安です。市場に出回っているのは、ゴアドライロフトという素材が使われています。このタイプのゴアテックスはダウンジャケットに使用される高性能な防水透湿素材です。


次回は寒冷地用シュラフで絶対チェックが必要な「ボックス構造」や「ネックチューブ」についてです。