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ここでのコンテンツでは山岳用コンパクトテントに限定してテントの選び方を進めていきたいと思います。(ファミリーキャンプ用のテントにつきましては別個にコンテンツを製作する予定です)
これまでの大原則やいくつかの鉄則に沿ってテントをチョイスしていくと、やはり有名どころのテントにたどり着いていると思います。
また、山岳用テントは日進月歩で進化しているカテゴリーですので、このコンテンツは何度も更新する必要があるかと思います。
さてさて、山岳用テントは選び方…というようりも特色を大まかに把握していただき、自分の好みでチョイスされるのが賢明な方法のように思えます。
言い換えると、このコンテンツはこだわり派のためのコンテンツになります。またこのコンテンツではより具体的に理解しやすいように、これまで伏せてきたメーカー名をドンドン出していきます。
コンパクトテント選びで焦点になる要素としては、「軽量・コンパクト性」「入り口の位置」「ウォール」が挙げられます。
一般に山岳用テントはファミリータイプとまったく違って「軽量・コンパクト」が徹底的に追求されています。厚い布地を採用しているテントでもファミリータイプのテントと比べると同じサイズでも平均値で20%は軽く仕上がっています。
山岳用テントの場合は、どのメーカーでも4人以上のサイズになると厚手の布地を採用しているのがほとんどです。また後にも述べますが、シングルウォールテントは4人以上のモデルは極端に少なくなっているようです。
議論の的、入り口の位置
コンパクトテントはスペースが小さい分、圧迫感があったり、収容量が少なく、出入りが面倒、といったデメリットがあります。
特にテント内部は長方形で、短い辺と長い辺のどちらに出入り口を設置するかは、コンパクトテントを語るうえで必ずといっていいほど議論の的になっています。
長い辺に出入り口を設置しているメーカーは多く、短い辺に設置しているメーカーは少数派です。市場に出回っているコンパクトテントではだいたい7:3くらいの比率でしょうか。(出荷数ではなく、バリエーション数の比率としてです)
それぞれ長所と短所を並べてみます。
| 長い辺にある出入り口 |
| 長 所 |
短 所 |
| 出入りが比較的にラク |
テントの設置スペースが多く必要 |
| 開放感がある |
耐風性に懸念 |
| 短い辺にある出入り口 |
| 長 所 |
短 所 |
| テントの設置スペースが小さい |
出入りが比較的に難 |
| 耐風性があるという |
圧迫感がある |
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通風性に難がある |
表内の文面の補足をします。山岳地帯に限らず、テントの設置は入り口を風下に向けるのがセオリーとなっています。
これはテントのドアパネルを開けた時に風が内部に流入してしまうのを避けるための対策です。風の強い時、キャンプ場でテントを飛ばされてしまっている光景をよく目にしますが、風を抱え込んだテントはホントによく飛びます。
そして、長い辺(以下、長辺と記します)に出入り口がある場合、風に対して長辺を曝す訳ですから風の抵抗は大きくなります。ですから耐風性に懸念がつきまとうことになります。
短い辺(以下、短辺と記します)に出入り口がある場合は長辺のものと比較して風の抵抗は約半分となりますので、耐風性に優れていると考えられています。
テントの設置スペースに関して。テントの設置面積以外にも出入り口付近にも余分にスペースを設けないと、人間は出入りすることができません。例えば雪山の斜面にテントを設置する場合などは、除雪して平坦なスペースをつくらないとなりません。長辺に入り口があるテントはそのスペースをたくさんつくることになりますから、雪の斜面を深く掘ることになります。その分手間が増えてしまうのです。

立場が逆転!
一人で使用する場合、長辺に出入り口があるテントはドアパネルが大きい分だけ出入りがラクです。逆に短辺に出入り口があるテントはドアパネルが小さいので出入りが面倒です。
しかし、複数の人で使用する場合、こうした事情は逆転することがあります。例えば、長辺に口があるテントに2人が入っている場合、入り口から遠い方の人は、一人をまたがないと口にたどり着けません。狭く天井の低い山岳テントの中ではすごく面倒な動作です。短辺に口があるテントは2人が使用しても同じ条件で口にたどり着けることができるので、長辺のそれと利便性が逆転します。テント選びでは、口の位置を考える時、使用人数も考慮しないとならないのはこうした要素もあるからです。この辺りの事情をよく考えているなぁ・・・と関心させられるのは、「マウントフレンド」のオリジナルテントです。同じモデルでも1人用は長辺に口があり、2人用は短辺に口を設置しています。考えている方って、そこまで深く考えているものなんですね!(ライペン(アライテント)も初めてゴアライズを発売した当初は横の長辺に入り口を設けていたような記憶があるのですが、いつの間にか入り口は短辺に変更されていました)
短辺に出入り口を設けている代表的なメーカーはライペン(アライテント)でしょう。人気モデルのエアライズやゴアライズは短辺に出入り口があり、「長辺に出入り口のあるモデルを!」といったユーザーから要望に、変更というカタチをとらず、別モデル・トレックライズを発表したことは有名な話です。
一方、エスパース、プロモンテ、モンベル社は長辺に出入り口を設置したモデルがズラリと並んでいます。

長い辺に出入り口を設置したタイプ |

短い辺に出入り口を設置したタイプ
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ウォールの種類
「シングルウォール」と「ダブルウォール」の2種類のテントのことです。詳しくは「シングルウォールテントとダブルウォールテント」を参照していただくとして、この2種類のテントは性格がまったく違うテントで、こだわる方にとってはやはり議論の的となるポイントでもあります。
どちらも一長一短があって現在はどちらが良くてどちらが悪いと一概には言えないところにテント選び悩みがあります。
私自身はシングルウォールテント大好き人間なのですが、長所の数を考慮するとダブルウォールテントに軍配があがるだろうと考えてます。
バスタブ(完全防水素材のボトム部)の高さ
シングルウォールにこだわりを持つ方には、1つ注意があります。これまでシングルウォールテントはキャノピー部分がゴアテックスを代表格とする防水透湿素材で、床面のボトム部は透湿性がない防水素材を用いてきました。ボトム部の素材は床面から20センチくらいまでバスタブ状にせり上がって、その上からは防水透湿素材でつくられていました。ところが、床付近にも結露が多量に発生する!ということで、防水透湿素材が床面ギリギリの高さまで延長されたモデルが増えてきました。
しかし、防水透湿素材を床面ギリギリまで採用することがベストではないことに問題があります。
例えば、雪山。雪を少し掘り下げてテントを設置する場合、当然キャノピー下部にも積雪が接することになります。こんな場合は透湿性のない素材の方がベターです。テントの室温で溶解が始まった積雪の水分が逆にゴアテックスを通して内部に流入してしまうからです。
ICIイシイスポーツのゴアライトシリーズがバスタブの高いモデルと低いモデルの両方を揃えているのも、こうした事情があるからに他なりません。
メーカーの得意分野を把握しましょう!
エスパース

テントにいろいろなこだわりをもつユーザーがいるように、メーカーにも得意分野があるようです。
雪山や積雪期・厳冬期などに活動の重点を置く予定があるならば「エスパース」のテントはおススメのモデルがたくさんあります。
軽量化されたテントは1人から6人用まで幅広いモデルが揃っており、保温や透湿に関する研究・対策が練られているからです。エスパースのテントは一見平凡なつくりに見えるのですが、低温の状況においての対策が研究されている部分がたくさんあるので、店頭でじっくりご覧になって、是非感動していただきたいメーカーです。特に国内の雪山登山には最高のパフォーマンスを誇るのではないかと感じられるモデルが揃ってます。
ライペン
ライペンって言うよりアライテントと呼ばれることが多いこのメーカー。とにかく軽さ、コンパクト性を追求しています。1996年に発表されたNewエアライズは業界も登山界も一般ユーザーをも驚愕させた軽量・コンパクトなテントでした。発表以来もうすぐ10年が経過しようとしていますが、その人気は衰えず年間売り上げ数で何度もトップにランキングされているほどです。
一般のユーザーも多いのですが、ヘビーユーザーからの信頼も厚く遠征隊はライペンのテントを採用するケースが年々増えてきているようです。
また、軽量・コンパクトな面だけではなく、エクスペディションドームはかなりの積雪に耐える丈夫でユニークなテントもあって、玄人も納得のメーカーです。
プロモンテ
突然ブランド名が変更されたメーカー。旧ダンロップです。フレームにフックを架けて設営する吊下げ式ドームテントの元祖です。80年代はまさにダンロップの時代といった感があり、海外からきた外国人が山中のキャンプ場を見て「日本にはダンロップしかないのか?」と驚いていました。コレ、マジな実話です!
とにかくオールラウンドに使えるテントといった感想を持ちます。夏場など気温の高い時期はこのメーカーのテントはズバ抜けた換気能力があるので、おススメです。
いつか機会があれば、こうして各メーカーのレビューしてみたいです。とりあえず、ここではテント選びの基準を書かないと…
オプション商品は充実しているか?
これを忘れてはならないです。もしも、厳冬期にもテントを張る予定があるならば、大切なのは冬用外張り(ウィンターフライ)です。春・夏・秋は通常フライシートを使用しますが、厳冬期は外張りを使うのがベターです。外張りはスタンダードなタイプを説明しますと、テント本体に被せる保温用のシートです。
冬季はなにかとこの外張りが威力を発揮してくれます。
オプション商品の中では絶対にチェックです。
RIPENはエアライズ・ゴアライズ・タフライズ・カヤライズに共通スペックのオプションを充実させています。
稀に・・・
この項を書いている間、都内の登山店のテント売場を覗きにいった時のことを最後に書きます。
五十代のご夫婦に見受けられたのですが・・・。聞くともなくお2人の会話が耳に入ってきてしまいました。
そのご夫婦はいろんな山を登るベテランの登山愛好家のようで、山の専門用語がビシバシ連発されていて山の名前もかなり出ていました。どうやら、お2人のテントは買い替えの時期にきたようで、お店にいらしておりました。
「この○○ってメーカー、ずいぶん小さな(コンパクトになるという意味)テント出すようになったわねぇ」奥様
「○○はもともと良いテントつくってんだけど、作ってるところが、ホラ△△製だからなあ・・・。やっぱり日本で縫ってるメーカーじゃないと、後々心配だから、○○はやめておこう!」旦那さま
みたいな会話で旦那様はテントのタグを見ながらそうおっしゃってました。
要するに、日本の縫製技術が最高で、海外の縫製だと心配・・・と言いたかったのでしょう。それが理由で○○社のテントは購入されませんでした。
このサイトを読んでいただいている方のなかにも、もしかしたら同じような考え方で国産品を信望している方いませんか?
私個人の意見としては、コレはまったく信憑性のない判断基準だと思っています。
確かに、テントに刺繍などあれば別の話でしょうけれど、テントの縫製といった技術に関しては国内国外を問わずそんなに違いはありません。というよりも、私にはその違いが解りません。大原則やいくつかの鉄則をくぐり抜けて選ばれたテントはある一定のクォリティを維持していると思います。その選ばれた候補のなかでは縫製された国によって技術の優劣はほぼないと思っています。
現在、化学繊維やハイテク繊維は主に○○アジアや○国などで多く生産されています。繊維メーカーの巨大プラントが現地に造られて、大量に、しかも最新の化学繊維が生産されているのが現状です。巨大プラントがあれば、これに付随するように関係産業がプラントの付近で栄えることも当然ですよね!
ということは、こうした地域ではミシンで縫製をする職人さんがたくさんいるということを意味しているのです。
逆に国内ではこうした生産工場はどんどん減ってきています。ということはミシンを使う職人さんの数も年々・・・です。一部では若い後継者不足に悩んでいる…みたいな話も耳にします。
巨大プラントの近くでミシンを使う職人さんは若い方もたくさんいるようです。また二本針で二列同時に縫製するダブルステッチミシンなんかもありますが、このダブルステッチミシンを扱う職人さんの技術は海外の方が圧倒的に高いとも聞いたことがあります。
こうした例はいくつもあるようで、縫製技術に関しては国内国外といった判断基準はまったくあてになりません。確かに昔はひどい縫製をしていた例はかなりあったようですが、現在ではプロの方が見ても優劣なんてつけられない確かな技術が海外でも定着しているといいます。
ですから、MADE IN ○○ をもってテント選びの判断材料とする意識だけは捨てた方がいいと思うのです。
稀に失敗していたりアウトレットものは出てくると思います。けれど、こうしたものはなにも海外製品ばかりではありません。国内で縫製されたものでも十分あり得るトラブルです。
生産国で判断せず、テントをもっと深く見てあげて欲しいです。
ちなみに私が10年近くつかっているテントはメイド・イン・ベトナムです。すごくしっかりつくってあります。縫製がほころんでいるところなんて一箇所だってありませんよ!
以上のことを加味して、是非納得されるご自慢のテントを見つけて下さいネ。
あと、少しでも参考になるように、データベース『コンパクトテント諸元一覧』をつくろうと思っています。原則@〜Eまでをカバーできるデータを盛り込んだ一覧になるといいのですが。
これで、とりあえず「失敗しないテント選び」を完とさせていただきます。
今後メールなどで質問が集まったりしたら、補足的に突然復活することもありますが、今現在、私の持っている知識は全部出し切ってしまっている状態なので、また勉強していって気づいたことなどありましたら、ページに公開致します。
「失敗しないテント選び」これにてFin。


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